民間月面探査チーム「HAKUTO(ハクト)」の
全面協力により、この計画は遂行される
ロンギヌスの槍を月に刺すプロジェクトは、日本初となる月面探査に挑む、民間宇宙開発チーム「HAKUTO(ハクト)」の全面協力により成功を目指します。彼らは、Googleによる国際宇宙開発レース「Google Lunar XPRIZE」へ日本で唯一参戦、さらには中間賞を獲得するほどの実力チーム。今回のプロジェクトは、このプロフェッショナルチームの高い技術力を最大限に活かした挑戦となります。

(月への打ち上げや槍の放出はハクトの全面協力により実行)
38万キロ彼方のミッションに挑む
地球から38万kmの彼方にある月面で行う今回のミッションは、輸送可能質量・使用可能電力・地球と月面間の通信速度などに過酷な制約があります。こうした制約の中でミッションを遂行するためのシステム設計が求められます。また高真空や放射線など地球上では考えられない宇宙という特殊環境への対応が求められます。
まずシステム設計に関しては、槍の放出機構自体の小型化・軽量化・省電力化を実現するための設計や材料選定が重要になってきます。またロケット打ち上げ時の振動に耐えうる構造設計も重要な要素です。これら設計要素の検証のために、振動試験や温度サイクル試験などの多様な試験項目を実施していきます。

(ロンギヌスの槍放出機構の設計の様子)

(レゴリスを模擬した砂への槍放出実験の様子)
また、槍の放出、映像取得、地球への伝送のためには、飛翔軌道と撮影アングルの最適化、および通信の高信頼性が重要になってきます。特に通信に関しては、月面と地球間のデータ伝送速度は数k~数十kbpsと極めて細く、この通信速度の中で正確かつ安定的に画像データのダウンリンクや遠隔操作のためのコマンド送信を行うための専用のプロトコルや多重化技術が必要です。
極限環境を生き延びる
一方、宇宙環境対応に関しては、月面のような高真空中では、有機材料からアウトガスと呼ばれる気体が発生し、近傍の物質に付着し、不具合を発生させることがあります。このため、ガスが発生しにくい材料の選定に加え、ベーキング(予熱)を実施し揮発成分を飛ばしておくなど、効果的な方法を検証していきます。
また、宇宙空間では放射線が飛び交っているため、電子機器にも悪影響を及ぼします。放射線の粒子が集積回路を通過すると、その回路に一時的な誤動作や、永久的な損傷を起こすことがあります。特に懸念される事象はビット反転です。(※ビット反転とは半導体メモリに記録されている電荷が損傷を受けることにより、デジタル記録の「1」と「0」が入れ替わる現象を指します)
これによって、CPUや制御システムが停止することや、暴走することがあります。現設計では宇宙ステーション等で実績のある耐放射線性の高い集積回路を採用し、CPUの動きを監視させるシステムを構築することで、高い信頼性を実現する予定です。

(CADによるシステム設計の様子)
ロボットによる月面探査に挑戦する
日本初の民間月面探査チーム「HAKUTO」とは
日本初の民間月面探査チーム「HAKUTO(ハクト)」は、「Google Lunar XPRIZE(主催:米・XPRIZE財団、協賛:Google社)」という、世界各国から18チームが参戦する、民間組織による月面無人探査を競う国際レースに、日本で唯一参加しています。2016年末までに、月面に純民間開発の無人探査機を着陸させ、着陸地点から500m以上走行し、指定された高解像度の動画や静止画データを地球に送信することが、Google Lunar XPRIZEのレース内容です。ハクトは、このレースを通して日本初となる月面探査に挑みます。
ハクトは、ジョージア工科大学大学院航空宇宙工学専攻の袴田武史氏が代表取締役社長をつとめる、宇宙ロボティクスを専門とする株式会社ispace(アイスペース)によって運営されています。
HAKUTO: http://team-hakuto.jp/
(Google Lunar XPRIZEに参加する開発中のローバー)
FAQ よくあるご質問
Q.1 本プロジェクトで製作されるロンギヌスの槍について教えて下さい。(大きさ、素材、耐用年数、地球上からの観測は可能か、など)
槍は、長さ240mm、重さ30gのチタン合金で製造することを検討中です。地球上からの観測を行うことはできません。なお、今後の開発状況等により、槍の長さ、重さ、素材に関しては変更となる可能性があることを予めご了承下さい。
Q.2 支援金はいつどのように使われるのですか?
READYFORを通してご支援頂いた資金は、2016年末までに、ロンギヌスの槍を月に運ぶために使用させて頂きます。重さ1gの物を月に運ぶために、およそ1,200ドル(日本円で約14万円)の費用がかかるため、今回ご支援頂く1億円は約600~700gになるロンギヌスの槍およびその放出機構をロケットに搭載して月面に運ぶための費用としてほぼ全額使用されます。
Q3. クラウドファンディングで集めた1億円で、「ロンギヌスの槍を月に刺すプロジェクト」実施費用全てを賄う事ができるのでしょうか?
「ロンギヌスの槍を月に刺すプロジェクト」全体でかかる費用のうち、月への槍輸送にかかる費用1億円をクラウドファンディングで募ります。開発、通信などに必要となる費用は、クラウドファンディング以外の方法で資金調達を実施しています。そのため、資金調達の実施状況によって、プロジェクトの実施内容が当初の予定と変更となる可能性がございます。予めご了承下さい。
Q.4 ロケットはいつ、どこから飛ばしますか?
2016年末までに、無人ロケットが米国から発射されます。詳細のスケジュールはまだ未定ですが、READYFORで資金調達が成功した場合には、プロジェクトの進捗は、READYFORでの「新着情報」ページを利用してご報告させて頂きます。
Q.5 支援金を受け取るのは誰ですか?
READYFORで集まった支援金は、「ロンギヌスの槍を月に刺すプロジェクト」実行委員会が受け取り、最終的にロケットの打ち上げおよび月面までの輸送サービスを提供する企業に対して支払いが実施されます。
Q.6 「ロンギヌスの槍を月に刺すプロジェクト」は、具体的にどの部分からどの部分までの実施を指していますか?
ロケットの打ち上げを行い、ランダーが月面に軟着陸をし、搭載された「月面ペイロード放出機構」より月面に向けて槍を発射。放出時の様子などを撮影し、映像を地球に伝送するところまでを指します。月面放出時及び放出完了時の槍の動画または静止画の撮影方法と画質、槍を月面に放出する方法と設計内容、またその他ミッションに関する詳細は、調達資金・技術開発・月面までの輸送サービス企業との契約等により、当初の予定と変更となる可能性があることを予めご了承下さい。
Q.7 ロケットの打ち上げから全てこのプロジェクトのメンバーで実行されるのでしょうか?
打ち上げから月面までの輸送は、別途輸送サービス提供企業との契約の下に実施予定です。
Q.8 槍を刺す様子は中継されますか。また、槍を刺す瞬間の動画あるいは静止画像は公表されますか。
今回のミッション用の通信帯域はアナログ電話回線よりも限られているためデータ伝送に数日要することが想定されるため、リアルタイムでご覧頂く事はできませんが、受信したデータはREADYFORでご支援頂いた方に限らず、一般に向けて公開予定です。なお、月面放出時及び放出完了時の槍の動画または静止画の撮影方法と画質については、研究結果や進捗状況等によりその実施内容や規模が当初の予定と変更となる可能性があることを予めご了承下さい。
Q.9 資金調達に失敗した場合、プロジェクトは実行されるのでしょうか?
READYFORで1億円の支援を集めることに失敗した場合は、本プロジェクトは実行されません。
Q.10 READYFORで1億円以上集まった場合、支援金はどのように使用されますか?
1億円を超えた金額も含めて、全て「ロンギヌスの槍を月に刺すプロジェクト」の費用として充てられます。集まった金額に応じて、より大きな槍を製作して月面まで運ぶ、高画質な動画の撮影に挑戦するなど、皆様により大きな「感動」や「ワクワク」をお届け頂けるような計画を立てる予定です。
Q.11 1億円の支援金が集まったあと、「ロンギヌスの槍を月に刺すプロジェクト」が失敗する可能性はありますか?
本プロジェクトが、やむを得ない事由により遅延・中止・失敗する可能性はあります。宇宙開発は一般的に難易度の高いプロジェクトであり、例えば、想定外の理由によるロケットの打ち上げ延期や事故などもあります。今回のミッションでは、ロケットの打ち上げから月面における槍の放出および画像取得まで、それぞれの専門領域で技術的信頼性の非常に高い企業に委託しているものの、全ての行程における100%の成功を保証することはできません。
Q.12 支援金が集まったあと、プロジェクトが失敗した場合は、READYFORの支援者へ支援金は返金されますか?
READYFORでの支援金が集まったあと、本プロジェクトが失敗した場合、支援者様に対してご支援金の返金は行われません。
Q.13 「ロンギヌスの槍を月に刺すプロジェクト」と「Google Lunar XPRIZE」は関連したプロジェクトなのでしょうか?
本プロジェクトと米XPRIZE財団が主催する「Google Lunar XRPIZE」とは関連はありません。ただし、本プロジェクトの実施時期に関しては、ハクトが「Google Lunar XPRIZE」のミッションで月面無人探査をするのと同じ時期を予定しています。
Q.14 プロジェクトのスケジュールの詳細はいつどこで発表されますか?
READYFORで資金調達が成功した場合には、プロジェクトの進捗は、READYFORでの「新着情報」ページを利用してご報告させて頂きます。
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本プロジェクトに関するお問い合わせはこちらまで
「ロンギヌスの槍を月に刺すプロジェクト」事務局
info@team-longinus.com
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